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2020年度 介護福祉士養成大学連絡協議会 総会及び意見交換会 開催報告
介護福祉士養成大学連絡協議会 会員各位
介護福祉士養成大学連絡協議会2020年度 介護福祉士養成大学連絡協議会
総会及び意見交換会 開催報告
介護福祉士養成大学連絡協議会 通常総会 10:30~11:40
《議事》
第1号議案 2019年度介護福祉士養成大学連絡協議会 事業報告
第2号議案 2019年度介護福祉士養成大学連絡協議会 収支決算・監査報告
第3号議案 2020 年度介護福祉士養成大学連絡協議会 事業計画
第4号議案 2020 年度介護福祉士養成大学連絡協議会 予算案
第5号議案 介護福祉士養成大学連絡協議会 第七期理事・監事選挙結果及び第七期役員
《報告》
介護福祉士養成大学連絡協議会 入退会者
介護福祉士養成大学連絡協議会 会員名簿
意見交換会 13:00~15:00
【入学式・オリエンテーション】
入学式・オリエンテーションが対面で出来なかった学校が多く、新入生に関しては、特に対応に苦慮しており、情報が的確に学生に届いているのか不安な状況であった。健康診断は実施できず、9月に予定のところもある。課程登録数は例年と変わらないという報告が多く、7月に選考の大学では苦慮しており、課程選択が2年次の大学は、実習室等の映像を撮影したPR動画や、授業内で課程選択の魅力を伝えるなど工夫をしていた。
【授業】
5月連休明けよりオンラインによる授業を実施している大学が多く、6・7月から一部演習・実技系の授業を対面で実施。あるいは、前期は全授業オンラインで行い、対面で行う単元はシラバスを変更して秋学期に実施する。秋期は通学による授業を予定しているところが多い。始めから20名以内であれば対面授業が可能の大学もある。 通学機会をできるだけ少なくしながらも、演習に取り組んでいた。対面授業の方法としては、3密を防ぎ、手指や実習着、使用器具、使用教室等の衛生管理をすることに加え、以下の例が挙げられた。
・生活支援技術は半分ずつ対面、同時並行で通学が出来ない学生にはzoomでも行う。
・「こころとからだのしくみ」「生活支援技術」など対面授業を同じ日に集めて、オンラインの日・対面の日と分けられるように調整する。視覚障害の食事介助や血圧以外のバイタルチェックはオンラインで実施した。
・モデル人形の活用や視聴覚教材などで工夫する。
・実技試験は夏休みに3日間学内集中講義。マスクとフェイスシールドを用意する。
・オンライン授業では、教材は介護創造力コンテスト・高校福祉科教員のインターネットで公開されている教材・YouTubeの教材に使えそうな動画を利用している。
など
【介護福祉実習/学内学修プログラム】
2・3月の実習は実習日数を残し中止している。5月~8月までに実習を予定していた学校は、計画通りには実習実施が出来ずに、何らかの変更を強いられている状況にあった。全面的あるいは一部を学内学修プログラムに切り替える。6月に2週間学内学修プログラムを実施し、3月に2週間実習を延期。夏実習は春に延期。3・4年生は、5月から7月に延期の末、学内学修プログラムに切り替えた。中止に至る経過では、大学側の判断と、配属実習先からの判断による場合があった。学内実習の内容としては、できる限り配属実習先との連携の中で、情報交換や利用者とのかかわりをオンライン上でするなどの工夫をしていた。学内学修プログラム例は以下の通りである。
・A/B/C/D 4つで構成。Aはオンライン授業。Bは学習Aで課された課題を学生がとりくむ。Cは対面での大学で行う集中演習。Dは事例検討。事例検討は、昨年度の実習報告書事例をシミュレーション事例として、アセスメントとプランを立案し、教員と事例検討会で検討する。プログラムには、シミュレーション事例とは別に、3人の当事者からオンラインで話を聞くことも企画。
・4年生は秋学期に事例提供を実習先からいただき、GWで計画を立て、施設に戻してフィードバックを頂く予定。3年生は夏休みに実習を行う予定だったが、施設からお断りをされたため急遽学内演習と振り替えた。動画を使って実施する。
・デイサービスや小規模多機能など半日実施し、午後は自宅に帰りzoomでGWの振り返りを行う。あるいは、グループホームと小規模多機能へインタビューに行き、事前事後学習でインタビュー内容の摺り合わせと共有を行う。報告会は現場の担当者を招待してzoomで実施する。
など
【介護福祉実習の配慮】
今後の夏期休暇中の実習においては、状況の変化に応じて、現在可能である配属実習も、中止になる可能性があり、各大学が学内実習の対応に追われている状況である。秋学期の9月から学内学修プログラムに切り替えた学校もあるが、以下の内容を検討して実習している。中には、同じ施設に1学年全員を依頼して実施しているところもある。
・自転車や徒歩などで通い、公共交通機関を使わない。
・施設の敷地内に宿泊が可能な施設で行う。
・学生には無料でPCR検査を行う。
・実習前後の検温や体調管理を習慣づけさせている。
・マスク・フェイスガードは大学から支給する。
・実習にあたり保護者に実習に行く「承諾書」を書いてもらっている。
・「Will保険」の加入。
・巡回は訪問とオンラインを併用する。
など
その他、入学後の学習において、オンライン授業、ITCの活用等に関して、学生の中には不得手な学生もおり、学習への意欲や授業への参加や課題の提出が滞っている学生もいた。大学として学生をサポートする部署と連携して行っているところもあるが、最終的には、学生一人ひとりの個別対応が求められていた。 -
地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案の附帯決議における介護福祉士養成に関する声明
地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案(令和2年6月4日参議院厚生労働委員会)の附帯決議における介護福祉士養成について声明をおこないます。
介護福祉士養成大学連絡協議会 会長
日本社会事業大学 社会福祉学部 下垣 光
〒204-8555 東京都清瀬市竹丘3-1-30
電話 042-496-3000(代) 042-496-3156(直)
E-Mail hsimoga@jcsw.ac.jp
地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案の附帯決議における介護福祉士養成に関する声明
介護福祉士養成大学連絡協議会は、地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案(令和2年6月4日参議院厚生労働委員会)における介護福祉士養成に関する附帯決議について、これまで当協議会が要望してきた内容と合致していることを高く評価します。
まず、この法案附帯決議の四について介護福祉士の処遇改善が決議されたことは大きな成果といえます。最も重要な点は、この附帯決議の五で「介護福祉士養成施設卒業者への国家試験義務付けに係る経過措置については、本来速やかに終了させるべきものであることに鑑み、その終了に向けて、直ちに検討を開始し、必要な施策を確実に実施すること。また、各養成施設別の国家試験の合格率など介護福祉士養成施設の養成実態・実績を調査・把握の上公表するとともに、可能な範囲で過去に遡って公表し、必要な対策を講ずること。また、介護福祉士資格の取得を目指す日本人学生及び留学生に対する支援を充実すること」と明記されたことです。
介護福祉士資格取得方法の一元化(介護福祉士養成施設卒業者への国家試験義務付けに係る経過措置)に向けての延長が長期間にわたって継続され、経過措置のさらなる延長について本協議会として反対意見表明をしましたが、昨年、12月16日第24回社会保障審議会福祉部会で賛否両論併記とされました。その内容が国会の場で具体的に論議され、衆議院、参議院審議を経て課題が明らかにされました。平成29年度以降の5年の経過措置による国家試験未受験者、不合格者で資格を保持する者の存在がクローズアップされ、「国家試験不合格者にも資格が付与される唯一の国家資格」といったネガティブな評価としての批判に始まり、現状の名称独占資格から業務独占資格を見据える前向きな議論がなされました。このような議論がなくとも、附帯決議で指摘された「介護福祉士養成施設卒業者への国家試験義務付けに係る経過措置については、本来速やかに終了させるべきもの」であることは長年の介護福祉士資格検討経過を踏まえれば当然のことと言えます。その経過措置の終了に向けた施策の一環として「各養成施設別の国家試験の合格率など介護福祉士養成施設の養成実態・実績を調査・把握の上公表すること」「必要な対策を講ずること」と明記されたことは大いに評価できるものといえます。
この附帯決議を踏まえ、今後、介護福祉士養成大学連絡協議会としては、以下のことに取り組んでいきたいと考えます。
介護福祉士資格取得方法の一元化に向けて、経過措置の必要がなくなるように、介護福祉士養成施設全体の教育レベルを上げるような提案をしていく。介護福祉士養成大学連絡協議会として意見交換や研究、介護福祉士養成に関わる関係機関との連携・協力を図り、介護福祉士養成教育の在り方、学問体系の確立、専門性の構築について、さらなる向上を図る。
2020年7月11日
介護福祉士養成大学連絡協議会
第六期 会長 日本社会事業大学 下垣 光 -
2020年度(令和2年)通常総会・情報交換会のご案内
令和2年 7月 16日介護福祉士養成大学連絡協議会 会員各位介護福祉士養成大学連絡協議会
2020年度(令和2年)通常総会・情報交換会のご案内時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素より本会の運営にあたり、ご理解とご協力を賜り厚くお礼を申し上げます。
さて、介護福祉士養成大学連絡協議会規定第12条に則り、2020(令和2)年度 通常総会を開催いたします。
また、総会終了後には、情報交換会を開催予定です。
ご多用とは存じますが、ご出席を賜りますようお願い申し上げます。
●日時
2020年 8月 8日(土)10:30 ~ 15:00(予定)
●方法
新型コロナウイルス感染防止対策のため、zoomによるオンライン総会とします。
情報交換会につきましてもzoomによりオンラインで開催します。
参加のお申込をいただきました後、参加認証情報を配信いたします。
●日程
午前(10:30~12:00)通常総会
午後(13:00~15:00)情報交換会…授業方法、実習の方法と時期等について
●参加申込
申込締切日:2020年8月3日(月)まで
※お申込みは終了いたしました。
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介護福祉士養成大学連絡協議会事務センターからのお知らせ
介護福祉士養成大学連絡協議会事務センターからのお知らせ
今般の新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言を受け、4月8日から当面の間、原則として在宅勤務(テレワーク)を実施しております。
在宅勤務に伴い、お問い合わせ等につきましては、メールにてお願いいたします。
関係各位におかれましては、ご不便お掛けいたしますが、何卒ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。
介護福祉士養成大学連絡協議会事務センター
kaigo-u@zfhv.ftbb.net全国研修会・第3回シリーズで学ぶ「これからの生活支援技術」のご報告
全国研修会・第3回シリーズで学ぶ「これからの生活支援技術」のご報告
2020年2月8日 13:00~15:30
講義・演習『潜在力を引き出す移乗・移動の技術』
田中 義行 先生(株式会社大起エンゼルヘルプ 入居・通所事業部事業部長補佐/理学療法士)
参加者は、教員が28名(大学連絡協議会連会員校:21、非会員:7)、学生10名でした。講義と演習の組み合わせでメリハリがあり、また教員と学生ミックスのペアで学ぶなど、集中して楽しく学ぶことができました。
研修会のコンセプトである「人の生活を支えるための技術」「新たな知識を取り入れた技術」「互いに学びあい,学びを発展させる」にふさわしい研修会でした。教科書がすべて正しいとは限らない!これからも、生活を支える技術を皆で発展させていきましょう。
[再告知]シリーズで学ぶ【第3回】潜在力を引き出す移乗・移動の技術(開催日:2020年2月8日)
主催:介護福祉士養成大学連絡協議会 潜在力を引き出すためには、対象者の何を理解すればよいのか?
生活の営みを支援するためには、廃用だけでなく『誤用』の理解も大切!
知識と現場での実践を踏まえた、わかりやすい実技研修を通して、ともに学びましょう。
開催日時
2020年2月8日(土)13:00~15:30 帝京科学大学 3号館(受付 12:20~)
講師
田中 義行 先生 (株式会社大起エンゼルヘルプ 入居・通所事業部事業部長補佐/理学療法士)
【講師紹介】
現場に身を置きつつ、教育や全国の実践現場で研修を行っている。
著書は、「潜在力を引き出す介助」(中央法規出版)、「拘縮予防・改善のための介護」(中央法規出版)
「写真でわかる拘縮ケア」(ナツメ社)、「写真でわかる移乗・移動ケア」(ナツメ社)、ほか。
「おはよう21」2019年5月号より、「写真と動画でわかる介護技術スキルアップ」を連載中 !!
参加申し込み方法
QRコードを読み込みウェーブフォームで申し込みができます。【お申込みはこちらへ】
または、①氏名 ②所属 ③介護福祉士養成大学加盟大学の教員か、個人会員・非会員か、メール(entry@kaigo-university.com)でお知らせください。【締切: 2020年1月31日まで】
研修会 参加費
正会員・個人会員…無料、非会員…参加者1名につき1000円(当日受付でお支払いください)
研修会内容についての問い合わせ先
帝京科学大学 柊崎京子(fuki@ntu.ac.jp)
会場「帝京科学大学 3号館」への行き方
東武バスを利用し「千住桜木」を下車した場合の「3号館」への行き方
バス停下車し、「帝京科学大学入口」の信号まで歩く
→ 信号を左折し、道路を渡る
→ 道路の左側に3号館がある
北千住駅、西口から徒歩:20分
バス:北千住駅、西口より、東武バス
・北01 「西新井大師」行き ②番乗り場
・北02、03 「西新井大師」行き
・北04 「西新井駅西口」行き ④番乗り場
・北05 「江北駅」行き
※ 千住桜木バス停下車 徒歩約2分
※ バスの本数は多い
バス:北千住駅、西口より、都バス
・駒込病院行き、田端行き などが利用可
・「千住桜木」のバス停位置が異なる場合がありますので、ご留意ください。
「介護福祉士国家試験義務付け延長反対」意見書を提出しました(2019年12月12日)
介護福祉士養成校卒業者に対する国家試験義務付けの延長反対についての意見書を作成し、12月12日に厚生労働書および自民党に郵送により提出しました。
介護福祉士養成大学連絡協議会 会長
日本社会事業大学 社会福祉学部 下垣 光
〒204-8555 東京都清瀬市竹丘3-1-30
電話 042-496-3000(代) 042-496-3156(直)
E-Mail hsimoga@jcsw.ac.jp
意見書-1(PDF)のダウンロード
意見書-2(PDF)のダウンロード
厚生労働大臣宛に要望書を提出しました(2019年11月12日)
10月24日の理事会で検討されました「介護福祉士養成校卒業者に対する国家試験の義務化」についての要望書を作成し、11月12日に下垣会長が、厚生労働省社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室において、資格・試験係長の石井洋之氏と面会し、石井係長に要望書を提出しました。
詳細ファイル(PDF)のダウンロード
2019(令和元)年度介護福祉士養成大学連絡協議会 総会及び研修会
2019(令和元)年度介護福祉士養成大学連絡協議会
総会及び研修会
総会参加者29名、ブロック部会(合同)参加者30名、全国研修会参加者60名でした。
《会長挨拶》
介護福祉士養成大学連絡協議会通常総会 10:30~11:45
1.第1号議案 2018年度事業報告
第1号議案に基づき、2018年度事業報告について報告され、承認された。
2.第2号議案 2018年度収支決算
第2号議案に基づき、2018年度収支決算について報告され、承認された。
3.第3号議案 2019(令和元)年度事業計画(案)について
第3号議案 2019(令和元)年度事業計画(案)について説明され、承認された。
4.第4号議案 2019(令和元)年度予算(案)について
第4号議案 2019(令和元)年度予算(案)について説明され、承認された。
《報告》
1.介護福祉士養成大学連絡協議会役員について
2.介護福祉士養成大学連絡協議会会員状況
会員状況は、会員校41校、個人会員36名であることが報告された。
ブロック部会(意見交換会)12:30~13:45
厚生労働省 社会・援護局 福祉基盤課 福祉人材確保対策室 資格・
実習に関する事項の変更点(下記)の確認がおこなわれた。
〇ソーシャルワーク実習は、異なる機関・事業所の2ケ所以上で行うこととし、1つの機関・事業所において以下の要件を含めた180時間以上の実習を必須とする。
・1つの機関・事業所において、一定期間以上継続して実習を行う中で、支援計画の作成、実施、評価といったソーシャルワークの一連の過程を網羅的に実践すること。
・実習機関・事業所と、複数の機関・事業所や地域との関係性を含めた、総合的かつ包括的な支援について実践的に学ぶ実習とすること
〇精神保健福祉士養成における「ソーシャルワーク実習」、介護福祉士養成課程における「介護実習」を履修している者については、実習のうち60時間を上限として免除可能とすること。この場合においても、機能の異なる2カ所以上の実習施設等で実施するものとする。
今回の社会福祉士のカリキュラム改正は、介護福祉士と社会福祉士の両方の資格取得が可能な教育課程において影響が多い変更であり、特にソーシャルワーク実習(実習名称も変更)が現在の時間数が180時間であったのが、240時間に時間数が増えていることに対して、介護福祉士課程を履修中の場合、60時間免除を可能とすると記されている。部会ではこの変更点について意見交換をおこなった。
意見交換では、以下の主な意見が出された。
〇介護福祉士養成課程における「介護実習」を履修している者については、「ソーシャルワーク実習60時間免除の実質化」について特段の配慮をお願いしたい。
〇介護実習を行っている場合は、「社会福祉士ソーシャルワーク実習は1か所で、180時間でよい」と通知に明記していただきたい。
○「社会福祉士養成課程の教育内容の見直し」に対して、厚生労働省に要望し、WEBに公式見解を示し、パブリックコメントとして示すべきだ。
○厚生労働省の方向性をみながら慎重に対応すべきだ。
全国研修会・第2回シリーズで学ぶ「これからの生活支援技術」 14:00~16:00
講演『よりよく座るシーティング』講師:廣瀬秀行氏
日本保健医療大学 教授 理学療法士 博士(工学)シーテイングコンサルタント 褥瘡認定士
シーティングとは何か、座位機能の見分け方、レベルに応じた車いすの選定ポイント、圧力を減らすためのクッションは必須、クッションの素材と厚みの意味、具体的な事例でのシーティングの実際、褥瘡とシーティングのつながり、褥瘡かそうでないかの見分け方、海外でのとりくみ、団地での実験的なとりくみ、シーティングが根付くための制度改正への働きかけと成果(身体拘束防止・診療報酬・理学療法士カリキュラム・PT養成学校がシーティング教育に必要備品の拡充するように通知の改正)、などなど、広範な内容をわかりやすくお話しいただきました。
講義の中で行った体験はとても印象的でした。
「尾骨に圧をかけて座る姿勢になって、指を尾骨にあててみてください。」「指がつぶれて痛みをひどく感じますよね。では、指をはずしてみてください。」「指センサーで感じた同じ圧が尾骨にかかっていますが、尾骨はあまり痛くない。」「尾骨は、痛みを感じにくい、だから、褥そうができるのです」
この体験で、尾骨の圧に、より注意が必要なことを実感しました。
また、「仙骨の褥そうはベッド上で発生してます。仙骨に褥そうがあっても、車いすに座れます。」このお話しにも目を開かされました。仙骨座りしないように支えれば、車いすに座れる、ことを知りました。
座位能力別の対応
1.両手を挙げて「バイザイ」ができる人⇒座面クッション
2.手で支えなければ座れない人⇒ サイドつきの(体側の側面も支持する)クッション
3.座れない人、姿勢がすぐにくずれる人⇒ ティルト・リクライニング機能つき
褥そうは、圧と時間と皮膚組織の耐久性で発生する。「ブレーデンスケール」を学び、褥そうリスクを予測すること。
褥そうが発生しているかどうかの見分け方
〇発赤を発見したとき、圧迫を除いて30分後に発赤が消えていれば、褥そうではない。(例 座位の人をベッドにもどして姿勢を変えて30分後に皮膚を見て発赤が消えていれば、褥そうではない。)⇒ 30分後も発赤があれば、褥そうⅠ度。
〇赤くなっているところを押してみる。白くなれば、褥そうではない。⇒白くならないのは、褥そうⅠ度。
褥そうのリスクを減らすために、クッションは必須。
除圧できる素材のクッション。
褥そうのリスクがない人のクッションは5㎝厚みでよい。
でも、褥そうリスクがある人には10㎝の厚めクッションが必須。臀部が沈みこみ、包み込まれるように厚みがあったほうがよい。
■介護職ができること、介護職に期待すること
〇圧迫をはずす。原因を捜して取り除く
〇連続座位時間の調整(座ったまま長時間すごすと疲労。お尻も痛くなる)⇒姿勢を変える(トイレ誘導で立位へ・ベッドに戻して横になってもらう等疲れをとる)
〇車いすの空気が抜けていると走行困難、空気を入れて操作しやすいように。汚れをとってきれいに。
〇PTやOTや看護職とのコミュニケーション
〇よりよいクッション・車いす・椅子の購入。介護職はPT等とともに機器を適切に選ぶ。
〇ベッド上での介護(寝た姿勢を基本とする介護)ではなく、車いす上の介護(座った姿勢を基本とする介護)についてもっと研究してほしい。
次回【第3回】シリーズ研修案内
講演『潜在力を引き出す移乗・移動の技術』
潜在力を引き出すためには、対象者の何を理解すればよいのか? 生活の営みを支援するためには、廃用だけでなく『誤用』の理解も大切!
知識と現場での実践を踏まえた、わかりやすい実技研修を通して、ともに学びましょう。
2019 年 10 月 12 日(土) 13:30-16:00
場所:帝京科学大学 3号館 (受付 12:50~)
講師 田中 義行 先生
(株式会社大起エンゼルヘルプ 入居・通所事業部事業部長補佐/理学療法士)
参加申し込み方法
QRコードを読み込みウェーブフォームで申し込みができます。【お申込みはこちらへ】
または、①氏名 ②所属 ③介護福祉士養成大学加盟大学の教員か、個人会員・非会員か、メール(entry@kaigo-university.com)でお知らせください。【締切: 2019年9月30日まで】