月別: 2013年3月

  • 介護福祉士養成大学連絡協議会ニュース(2013年3月25日)

    平成25年3月

    介護福祉士養成大学連絡協議会 News No3
    平成24年度介護福祉士養成大学連絡協議会研修会
    『これからの介護に求められる医療的ケアと介護福祉士』

    発行:介護福祉士養成大学連絡協議会 事務局
    大妻女子大学
     去る平成25年3月7日(木)、大妻女子大学多摩キャンパスにて平成24年度研修会が行われました。年度末にもかかわらず、会員校、個人会員のほか、短期大学や専門学校教員の方などあわせて71名の方々のご参加をいただきました。以下に概要をご報告させていただきます。



    Ⅰ部(10:10~12:00)
    『養成教育・実務者教育の立場から医療的ケアの問題点を探る』
    コーディネーター

     荏原 順子(本会理事、目白大学人間学部 教授)



    シンポジスト

     ■介護福祉士養成教育への波紋と問題
       渡辺 裕美 氏
      (東洋大学ライフデザイン学部 教授)

     ■介護福祉士養成校における『医療的ケア』教育に関する現状と課題
     -『医療的ケア』教育研究会(東京)での情報交換より-
       柊崎 京子 氏
      (山梨県立大学人間福祉学部 准教授)

     ■介護職員の医行為 訪問介護を中心に
       小島 美里 氏
      (NPO法人暮らしネット・えん 代表理事)

     医療的ケアを介護福祉士の「業務拡大」ととらえるか「独自性や専門性の希薄化につながる」ととらえるかで、その意義は変わってきます。養成校では、多くの負担を抱えながら各校での模索が始まっています。しかし、一部の疾患を除き、生活の場では喀痰しやすい姿勢や環境の調整、食事や水分摂取上の工夫などが重要です。現場でも訪問介護等従事者が研修を受講していますが、利用者の生活実態に沿った生活支援と医療的ケアの必要度の見極めが重要になるとのお話もありました。


    Ⅱ部(13:00~15:50)
    『介護福祉士養成教育の総括と今後の方向性』
    コーディネーター

     本名 靖 氏(東洋大学ライフデザイン学部 教授)



    シンポジスト

     ■介護福祉士養成教育の総括と今後の展望
       黒澤 貞夫 氏
      (群馬医療福祉大学大学院 教授)

     ■介護福祉士を取り巻く現場の実情
       山岡 喜美子 氏
      (宇部フロンティア大学人間社会学部 教授)

     ■介護福祉教育の方向性から地域包括ケアシステム構築と
      介護福祉士の今後の方向性
       太田 貞司 氏
      (聖隷クリストファー大学大学院 教授)

     今後さらに重要になるのが「介護福祉士の固有の専門性の確立」です。地域包括ケアシステムのカギは他職との連携であり、介護福祉士には独自に実践、発信、提言できる学問的、技術的、思想的基盤が不可欠になります。反面、増大する要介護者やひっ迫する介護保険行政の中で、現場は人材不足という現実に直面していますが、ここで原点に立ち返り、介護福祉士や介護福祉士養成教育がどこに軸足を置き、何を享受すべきかを確認し、共有することが急務と言えます。
     参加者からは、介護福祉士養成教育を取り巻くさまざまな課題について「再度確認や整理ができ、共有ができました」といった感想が多く聞かれました。今後、本協議会としても、会員校相互の情報交換と教育の質向上への取り組みに一層励んでいきたいと思います。ありがとうございました。