2020年 第1回 介護福祉士養成大学連絡協議会研修報告

介護福祉士養成大学連絡協議会
目白大学 荏原順子

2020年 第1回 介護福祉士養成大学連絡協議会研修報告
これからの介護福祉養成大学の教育を考える
~専門性の構築を目指して~

2020年10月17日(土)13時~15時、新型コロナウィルス感染症の拡大のためzoomによるオンライン形式で、2020年度介護福祉士養成大学連絡協議会 第1回研修が開催されました。第一部は厚生労働省の伊藤優子専門官の講演【これからの介護福祉教育】、第二部は意見交換会【今求められる介護福祉】が開催されました。全国から大学、短期大学、専門学校、福祉系高校の先生方(総数30名)にご参加頂きました。2時間という短い時間の設定でしたが、講演、意見交換とも、とても濃い内容の研修となりました。(一部資料紹介:研修会の資料は会員交流サイトに掲載しています。)

第1部 基調講演 これからの介護福祉教育
講師:厚生労働省 社会・援護局 福祉基盤課 福祉人材確保対策室
介護福祉専門官 伊藤 優子 氏

▼下記の画像をクリックしますとPDFファイルでご確認いただけます。

今後の対応等:介護福祉士養成施設卒業者に対する国家試験義務付けの経過措置の延長

法律案に対する附帯決議
<衆議院厚生労働委員会 令和2年5月22日>
六 介護人材を確保しつつその資質の一層の向上を図るための方策に関し、介護福祉士養成施設卒業者への国家試験義務付けに係る経過措置の終了に向けて、できる限り速やかに検討を行うこと。また、毎年、各養成施設ごとの国家試験の合格率など介護福祉士養成施設の養成実態を調査・把握の上、公表し、必要な対策を講ずること。
七 今後、必要となる介護人材を着実に確保していくため、介護福祉士資格の取得を目指す日本人学生及び留学生に対する支援を更に充実させること。
八 准介護福祉士の国家資格については、フィリピン共和国との間の経済連携協定との整合を確保する観点にも配慮して暫定的に置かれたものであることから、フィリピン共和国政府との協議を早急に進め、当該協議の状況を勘案し、准介護福祉士の在り方について、介護福祉士への統一化も含めた検討を開始すること。
<参議院厚生労働委員会 令和2年6月4日>
五 介護福祉士養成施設卒業者への国家試験義務付けに係る経過措置については、本来速やかに終了させるべきものであることに鑑み、その終了に向けて、直ちに検討を開始し、必要な施策を確実に実施すること。また、各養成施設ごとの国家試験の合格率など介護福祉士養成施設の養成実態・実績を調査・把握の上公表するとともに、可能な範囲で過去に遡って公表し、必要な対策を講ずること。また、介護福祉士資格の取得を目指す日本人学生及び留学生に対する支援を充実すること。

今後の対応
○ 経過措置はあくまで暫定的なものであり、この間に、養成施設の教育の質を上げ、国家試験合格率を高めていくことが必要。
▶ 養成施設ごとの国家試験合格率を公表する仕組みを新たに実施する。
・ 各養成施設の受験者数・合格者数・合格率を、新卒・既卒ごと、日本人受験者・留学生受験者ごと、それぞれについて公表する。
・ 併せて未受験者を減らすため、養成施設の受験勧奨を促進する観点から、養成施設ごとの卒業者数も公表し、受験者数と比較できるようにする。
▶ 養成施設の教育の質の向上にかかる取組について、必要な経費への財政的支援を行う。
・ 地域医療介護総合確保基金のメニューである「外国人介護人材受入れ施設等環境整備事業」。今年度(令和2年度)予算における新規事業。
・ 留学生向けの介護福祉士試験対策教材の作成、留学生の指導方法等に関する教育の手引きの作成、教員の異文化理解の教育・研修受講などに必要な経費を支援。
○ 介護福祉士の果たすべき役割をより明確にし、資格の価値を高めていくことが必要。
▶ 介護福祉士のキャリアモデルの検討を行う。
・ 今年度(令和2年度)、調査研究事業を実施。
・ 介護事業者団体や介護福祉士会の協力を得ながら、キャリアの実態調査と、調査結果に基づくキャリアモデルの検討(介護現場の好事例)を行う。
○ 福祉系高校について、将来の介護を担う人材を地域に密着して育成することの重要性に鑑み、学生を確保していく観点から、支援の在り方を検討。