2021年度 介護福祉士養成大学連絡協議会「総会及び意見交換会 開催報告」
介護福祉士養成大学連絡協議会 会員各位
介護福祉士養成大学連絡協議会 会長校
2021年度 介護福祉士養成大学連絡協議会 総会及び意見交換会 開催報告
2021年 7月 24日(土)10:30~15:00 に、新型コロナウィルス感染症の拡大のため Zoom によるオンライン形式で、2021(令和 3)年度介護福祉士養成大学連絡協議会総会及び意見交換会が開催されました。全国から多くの会員(正会員大学 25 校 27 名、個人会員 2 名、出席者総数/総会 29 名、意見交換会 19 名)にご参加いただきました。
介護福祉士養成大学連絡協議 通常総会 10:30~11:30
通常総会は、理事会が提案した下記の議事全てが承認されました。
《議事》
第 1 号議案 2020 年度介護福祉士養成大学連絡協議会 事業報告
第 2 号議案 2020 年度介護福祉士養成大学連絡協議会 収支決算・監査報告
第 3 号議案 2021 年度介護福祉士養成大学連絡協議会 事業計画案第 4 号
議案 2021 年度介護福祉士養成大学連絡協議会 予算案
《報告》
介護福祉士養成大学連絡協議会 入退会者
介護福祉士養成大学連絡協議会 会員名簿
「主催、共催、協賛及び後援の基準等に関する規定」
なお、総会の第 2 号議案におきまして、「会計監査報告書」の文中(2021 年度⇒2020 年度)を口頭にて訂正させて頂きました。この件につきましては、訂正した内容で新たな帳票を作成し、差し替えを行いましたことをご報告いたします。
午後の意見交換会は、「2030 年に向けた活動目標及び組織体制等について」をテーマに、4グループに分かれ、フリートーキング形式でグループセッションを行いました。
その詳細を、グループ別の内容を加工せずそのまま掲載しております。
ご賛同いただける内容が多く出されていると受け止めています。これらを理事会で集約し、活動として具現化できる事項から、その体制づくりを検討していきたいと考えております。
意見交換会に参加し、貴重なご意見を頂きましたことに心より感謝申し上げます。
1グループ
<意見交換>
「長期的なスパンでとりくんでいること」があるかに対して、それぞれの大学の現状を伝え、意見交換を行った。「実習をいつどこに入れているか、学生が集まらない。学生のレベルが色々で、難しい」ということが話題になった。
<今後に向けて>
1.大学と社会で循環型人材養成のしくみ(K 県立保健福祉大学のとりくみ例)
当大学に実践教育センターがある。学部を出た卒業生が現場に出る。現場にいながら実践を継続しながら、実践教育センターで、実習指導者講習会や教員講習会を終える。ステップアップできる。大学院にもどってくる学生もいる。社会の中で循環している。長期的な人材育成となる。
2.4 年制大学ならではの科目
○明確に短大と 4 大でここが違う、ということを伝えたい。
大学独自のカリキュラムに力を入れたいと考えている。例 外国人をスーパービジョンできる人材育成に必要な科目など・・。
○介護福祉士と社会福祉士のダブル資格をとるだけではなく、4 年制介護福祉士養成大学として、スペシフィックな科目、例えば、介護施設の運営管理に関する科目―勤務表の組み方・経営などー。
3.若い人が入るようにどう芽をだしてもらうか、在校生、若い人のアイデアを活用。
高校生に選んでもらえるように、介護のことを伝えたい。イメージを変えたい。
大学 1 年生に対して、介護 3 年生の働きかけがうまくいった。―介護を学びたいと思った理由や福祉を選んだ理由、日々の介護授業の様子を 3 年生が Instagram に発信。園芸(大学の周りに向日葵を植えた)を、地域の人が向日葵を背景に写真をとっているのを毎朝見て、自分たちがやったことが形になっている、地域の人にも喜んでもらっていることを発信。その成果として、今年度は 1 年介護の人数が増えた。
4.卒業生は宝
卒業生が教育を受けたことの実像。その力は大きい。
転職していく学生もいるが、その領域内で移動して継続して働いている。
就職先卒業生は就職したら、辞めないで長く勤務している。現場に先輩がいて、このエリアにはたくさん卒業生がいるという強みがある。給料の話もしてくれる。一般企業の給料もそんなに違わないということを在校生に伝えてくれる。卒業生は宝。
2グループ
<今後 10 年に向けて>
・大卒でどうして介護福祉士なのと問われたときに、はっきりと明確な応えができない。
・2年生から介護福祉士を選択するが選択する学生が少ない。
・社会福祉士と介護福祉士のダブルライセンスを取る意味、付加価値をどのようにつけるか。
・国が示すビラミットの頂点の人材の値する育成を目指すのではないか。
・専門介護福祉士(途切れている)、認定介護福祉士の一部科目免除も考えるような働きかけも必要ではないか。
・高校生へのPRの方法も考えていく。
・2016 年に西日本ブロックや東北ブロックで作成した冊子の作成をして、大学で介護福祉士を取得するメリットをアピールする。
・4年生大学で介護福祉士を取得する意義を、高校生、社会、国に対してアピールしていく必要がある。
・今までの活動でよい取り組みをしてきたことが沢山あっても、単発で継続されていないので、もう一度、今までの活動を振り返って、活動が継続されるような取り組みを行っていく。
・大学連絡協議会は、研究者の集まりでもあるので、研究的な取り組みを行っていく。
会員も参画できるような取り組みを行っていく。研究において、興味のあるテーマに会員が参加できるような取り組みを行っていく。初めて参加した人からは、そのような機会を設けていただけるとありがたいという声があった。
・役員(理事)を中心として活動しているが、一般会員も参画できる機会を設けていくと、会に入っているメリットを感じてもらえるのではないか。
・日本介護福祉士会等の他団体との連携を図って、国や社会に対して介護福祉士の国家試験の課題等に向けて働きかけていく必要があるのではないか。
3グループ
<各大学の現状について情報交換>
・学生の確保は大変
・授業の工夫点について
多職種連携できる科目、別学科や専攻で学ぶ機会をつくる
認定介護福祉士科目などをはじめとした専門教育、模擬授業のような授業も展開している
<大学教育における介護福祉教育の在り方について>
・厚労省が提示したまんじゅう型から富士山型のような教育にしていかなければならない。そのために必要なのは教育力、卒業生の力、実践能力である
・学会でも実践研究は少ないため、もっと増やして実践力や研究能力を高めていく必要がある。
・現場での課題を解決するためにはそのような研究能力も必要である。
・併せて職能団体の能力アップも必要である。そのためには、養成大学の教育が必要である。
・4年制大学で学ぶのは、全体的な時間数が圧倒的に異なる、学ぶ量と質が違う・理論と実践についてしっかり学んでいる
・マネジメント能力は必要であるが、介護が求めているマネジメントはチームマネジメントである。
そのような教育方法が必要である。
<今後の協議会の在り方について>
・研修委員会で取り組んでいる組織を作る意味ということでは、「温故知新」これまでの歴史を振り返りながらこれからの道を切り開く必要がある。
・調査研究員のキャリアを可視化することは有用である。合格率と出口戦略が必要である。
・他大学での取り組みや先生方の考え方を聞く機会があってとても良かった。
<感想>
・今回の連絡協議会でのディスカッションでは、大学で教育している意義や意味について再確認しながらこれからできることを再認識できた。
・他大学での取り組みや先生方の考え方を聞く機会があってとても良かった。
4グループ
<現状について>
・学生の減少がどこも厳しい現状(充足率は 3 割程度)で、SW とのダブルライセンス希望者にしても、介護福祉のみを希望する学生は少ない。
・高校生の希望者はいても、ダブルライセンスが取れる大学であれば、保護者や教員が介護福祉士だけの資格取得は不安がるケースが多いという感触がある。
⇒介護福祉の価値や魅力を高めることは重要だが、資格取得のコース(国試の延期など)がきちんとした形で示されないため社会的信用が低下することも考えられる。社会的な身分や給与等の裏付けが不足している現状を整備する必要がある。
<入学生確保の取り組みについて>
・高校生だけでなく、小・中学生へのアピールを行っている。
在学生と一緒にアピールする活動、小・中学校で行っている。
⇒介護福祉士会、介護福祉士養成施設協会、行政が担う人材確保事業、小・中学校などの各種団体がアピール活動をしているが、大学としてどの団体と連携するのがよいのか、整理・検討する必要がある。
・YouTube(大学)などで、小・中学生と在学生との活動など、魅力を発信する活動を計画している。
(コロナ禍で活動自体が難しかった)
⇒上記の現状にあったように、資格をしっかりしたものにし、高校生だけでなく社会や国にもアピールする必要がある。
⇒現場での人材不足との二律背反であるが、しっかりと教育した専門職教育をしていく必要がある。
<今後の活動について>
・介護福祉を中核にした専門性を高める、深める教育を行っていくことが必要ではないか。
・大学教員の授業研究や教材研究を行う研修を行うのはどうか。
・介護過程などで使用できる事例について、本協議会で動画の作成などはできないか。
・調査研究(現在進行中)では、介護福祉の 4 年生大学教育ならではの意義を明らかにして行ってほしい。
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