• 4年制大学における介護福祉教育のあり方を探求する

2020-08-03

地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案の附帯決議における介護福祉士養成に関する声明

地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案(令和2年6月4日参議院厚生労働委員会)の附帯決議における介護福祉士養成について声明をおこないます。

介護福祉士養成大学連絡協議会 会長
日本社会事業大学 社会福祉学部 下垣 光
〒204-8555 東京都清瀬市竹丘3-1-30
電話 042-496-3000(代) 042-496-3156(直)
E-Mail hsimoga@jcsw.ac.jp

地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案の附帯決議における介護福祉士養成に関する声明

 介護福祉士養成大学連絡協議会は、地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案(令和2年6月4日参議院厚生労働委員会)における介護福祉士養成に関する附帯決議について、これまで当協議会が要望してきた内容と合致していることを高く評価します。
 まず、この法案附帯決議の四について介護福祉士の処遇改善が決議されたことは大きな成果といえます。最も重要な点は、この附帯決議の五で「介護福祉士養成施設卒業者への国家試験義務付けに係る経過措置については、本来速やかに終了させるべきものであることに鑑み、その終了に向けて、直ちに検討を開始し、必要な施策を確実に実施すること。また、各養成施設別の国家試験の合格率など介護福祉士養成施設の養成実態・実績を調査・把握の上公表するとともに、可能な範囲で過去に遡って公表し、必要な対策を講ずること。また、介護福祉士資格の取得を目指す日本人学生及び留学生に対する支援を充実すること」と明記されたことです。
 介護福祉士資格取得方法の一元化(介護福祉士養成施設卒業者への国家試験義務付けに係る経過措置)に向けての延長が長期間にわたって継続され、経過措置のさらなる延長について本協議会として反対意見表明をしましたが、昨年、12月16日第24回社会保障審議会福祉部会で賛否両論併記とされました。その内容が国会の場で具体的に論議され、衆議院、参議院審議を経て課題が明らかにされました。平成29年度以降の5年の経過措置による国家試験未受験者、不合格者で資格を保持する者の存在がクローズアップされ、「国家試験不合格者にも資格が付与される唯一の国家資格」といったネガティブな評価としての批判に始まり、現状の名称独占資格から業務独占資格を見据える前向きな議論がなされました。このような議論がなくとも、附帯決議で指摘された「介護福祉士養成施設卒業者への国家試験義務付けに係る経過措置については、本来速やかに終了させるべきもの」であることは長年の介護福祉士資格検討経過を踏まえれば当然のことと言えます。その経過措置の終了に向けた施策の一環として「各養成施設別の国家試験の合格率など介護福祉士養成施設の養成実態・実績を調査・把握の上公表すること」「必要な対策を講ずること」と明記されたことは大いに評価できるものといえます。

 この附帯決議を踏まえ、今後、介護福祉士養成大学連絡協議会としては、以下のことに取り組んでいきたいと考えます。
介護福祉士資格取得方法の一元化に向けて、経過措置の必要がなくなるように、介護福祉士養成施設全体の教育レベルを上げるような提案をしていく。介護福祉士養成大学連絡協議会として意見交換や研究、介護福祉士養成に関わる関係機関との連携・協力を図り、介護福祉士養成教育の在り方、学問体系の確立、専門性の構築について、さらなる向上を図る。

2020年7月11日
介護福祉士養成大学連絡協議会
第六期 会長 日本社会事業大学 下垣 光